106 水を飲むだけでやせられるのか

水を一気に飲める量は限界があります。水は胃からは吸収されず、腸から吸収されます。水を飲みながら食事をすると胃の中に水が残っている分だけ、多くの量が食べられなくなります。これを応用して少しの量でも満腹感を得ようというのが飲茶(やむちゃ)で、点心を食べたらお茶を飲み、また食べて再び飲むということを繰り返します。水にはエネルギー量が含まれていないので、水を飲む量が増えれば、その分だけ太りにくくなります。エネルギー量があるのは糖質、脂質、たんぱく質だけです。
やせるというのは脂肪細胞の中に蓄積される脂肪(中性脂肪)が減ることを指していますが、脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸となって血液中に放出され、これが全身の細胞に運ばれてエネルギー源となります。細胞が正常に働くためには一定量の水分が必要です。水分が不足すると細胞の代謝が低下して、やせにくくなります。血管の末端まで血液によって運ばれた酸素と栄養素は、水に溶け込んで細胞まで運ばれます。その働きをする水分が不足すると、代謝のために必要な酸素と栄養素が不足することになって、これもやせにくくなる原因となっています。
水を多く飲むほどやせるようになるということではないわけですが、少なくとも不足することがないようにしなければなりません。喉の渇きを感じたときには、全身の細胞の中の水分が1%は低下したサインで、2%低下すると喉の乾きが強くなります。この状態では代謝が低下するので、喉が渇いたら水を飲むようにするべきです。