メディカルダイエット研究は、病院における食事療法と運動療法のホスピタルダイエットから始まりました。生活習慣病の治療のための食事指導と運動指導に取り組む中、通常の指導法が通用しにくい小児肥満の改善のために食事と運動を組み合わせる手法の研究が始まりました。成長期の小児には通常の食事療法と運動療法を行ったのでは成長を妨げることがあることから、あまり生活を変えずに肥満解消できるように考え出されたのが、食事と運動の組み合わせによって体脂肪をコントロールする方法でした。
それに続いて、スポーツ競技の選手の体重コントロールに参加することになり、選手の目標の体脂肪量にするために食事と運動の組み合わせが評価され、同じ食事量と同じ運動量で、一方は体脂肪を減らし、一方は筋肉を落とさずに体脂肪を増やすことがオファーされました。
適度な体脂肪コントロールなら食事と運動の組み合わせだけでも可能ですが、運動選手の的確な体脂肪コントロールには食事と運動だけでなく、食事と休養、運動と休養の組み合わせも加えて、身体のメカニズムをコントロールする方法に取り組み、これがメディカルダイエットとして発展するきっかけとなりました。
ホスピタルダイエットからメディカルダイエットとなり、運動選手向けのメディカルダイエットは生活習慣病対策にも有効に使えることがわかり、ホスピタルダイエットの世界にリターンしました。そして、生活習慣病の予防と治療に運動科学を活かすようになり、病院でも運動科学に基づいたダイエット指導が行われるようになっています。