123 糖尿病改善の運動と入浴

運動をしているときには、エネルギー源のブドウ糖と脂肪酸の燃焼が盛んになっています。燃焼が最も盛んなのは筋肉で、筋肉のうち赤筋は主に脂肪酸を燃焼させ、白筋は主にブドウ糖を燃焼させています。血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値が高いというのは血液中のブドウ糖が多くなった状態を指しています。糖尿病の予防と改善のために血糖値を下げるには、白筋での燃焼を高めればよいことになります。
人間の筋肉は魚の赤身と白身のようにはっきりと分かれているわけではなく、赤筋と白筋が混ざり合った状態になっています。赤筋は持久力の筋肉で、有酸素運動をすると太くなり、脂肪酸の燃焼が高まります。白筋は瞬発力の筋肉で、無酸素運動をすると太くなり、ブドウ糖の燃焼が高まります。筋肉を強く刺激する筋トレをすると白筋が強くなり、ブドウ糖の燃焼が高まるということですが、運動後に入浴をすると白筋がより温まって、運動後にもブドウ糖の燃焼が継続します。
脂肪酸の燃焼のためには、運動後の入浴はすすめられません。というのは、運動後の入浴によって赤筋が温まりすぎると、筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼの働きが低下してしまい、脂肪酸の燃焼も低下するからです。リパーゼの働きは運動後30分ほどは続くので、それを過ぎてから入浴するようにします。
血液中のブドウ糖を減らしたいのか、脂肪酸を減らしたいのかによって、運動後の入浴のタイミングを変えないといけないということです。