155 羊肉のダイエットで効果が高いのはラムかマトンか

羊の肉はダイエット効果があり、肉を食べていると、太るどころか、かえってやせる効果がある――とも言われています。その理由ですが、羊肉には脂肪を燃焼させる作用がある水溶性のL‐カルニチンが多く含まれているからです。水溶性というのは水に溶ける成分のことで、水溶性なら何と一緒に食べても溶けているので摂ることができます。これに対して脂溶性のものは油に溶けてから吸収されるので、油が含まれた食品と一緒に摂らないと吸収されないという弱点があります。
L‐カルニチンの量は100g当たりでラム肉には80~100㎎、マトン肉には200㎎が含まれています。ラム肉は子羊の肉で、軟らかくておいしいのですが、ダイエット効果を求めるなら大人の羊肉のマトンのほうが効果はあることになります。L‐カルニチンにダイエット効果があるといっても、羊肉には脂肪も含まれています。100g当たりのエネルギー量は220~240kcalにもなるので、食べすぎれば太る原因になるのは当然のことです。
ダイエット効果を得るためにはL‐カルニチンは1日に1000㎎の摂取が必要とされているので、羊肉を食べることだけでやせようと思ったら、ラム肉なら1kg、マトン肉なら500gほどを食べなければならないことになります。これでは脂肪が少ない部位を選んで食べても、太りやすくなってしまいます。羊肉なら他の肉類よりも太りにくいということは認めるものの、ダイエットのためにL‐カルニチンを摂るなら、肉だけから摂るよりもサプリメントの活用も考えたいものです。
牛肉(ヒレ)に含まれるL‐カルニチンは100g当たり60㎎、豚肉は35㎎、鶏肉は5~9㎎なので、200㎎も含まれているマトンに比べると、かなり少ない量となっています。肉からL‐カルニチンを摂るなら、マトンに限るということです。
L‐カルニチンは水溶性の性質で、加熱によって壊されるので焼くと量が減っていきます。こんがりと焼いて食べるのではなく、表面を軽く焙って食べるようにすると、L‐カルニチンは減りにくくなっています。ジンギスカンの食べ方が合っているというわけです。