161 やせる効果が高いのは不溶性食物繊維か水溶性食物繊維か

野菜の葉や根に多く含まれている不溶性食物繊維は、食事の消化にかかる時間を延ばすことから糖質がブドウ糖に分解されるのを遅くして、血糖値の急上昇を防いでくれます。血糖値が高くなるほど、肝臓で脂肪を合成して、脂肪細胞に蓄積される脂肪が増えるので、血糖値は上昇しにくいことでダイエットにつながります。海藻、キノコ、果物などに多く含まれている水溶性食物繊維は胃の中で膨らんで、余分な脂肪を吸着して吸収されにくくするとともに、水溶性食物繊維は粘りがあって、ゆっくりとブドウ糖が胃から腸に運ばれていくことから血糖値の急上昇を抑える働きがあります。
第6の栄養素と呼ばれる食物繊維は、どちらもダイエット効果があって多めに摂ってよいわけです。第6の栄養素とは、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが5大栄養素と呼ばれ、食物繊維は栄養にならないとされていた時代もありましたが、消化・吸収に影響を与え、腸内環境を整え、腸内細菌によって分解されて栄養素になることがわかって、6番目の栄養素として数えられるようになりました。
便通がよくない人は腸壁を刺激して便の量を増やしてくれる不溶性食物繊維を多く摂ったほうがよいわけです。ただし、便が硬くて出にくい人の場合には、不溶性食物繊維は便を硬くする作用があるので、摂りすぎには注意が必要です。逆に便を軟らかくしてくれるのが水溶性食物繊維なので、そういう人は水溶性食物繊維も増やすようにします。逆に便が軟らかすぎて軟便、下痢ぎみという人は、水溶性食物繊維を増やしすぎると腸の状態が悪くなりやすいので、腸の状態に合わせて摂る量を調整するようにしたいものです。
食物繊維は英語ではダイエタリーファイバー(dietaryfiber)といってダイエットの繊維という感じがありますが、実際にはダイエタリーは食物を指していて、食物繊維そのものを指しています。特にダイエットによいものというと不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の性質があるペクチンで、これは野菜や果物の皮に多く含まれています。