ダイエット中に糖質が含まれたものを上手に使うことで効果を高めることができます。一つは空腹感をまぎらわせる効果で、空腹を感じたときに甘いものを食べることで気分的に落ち着かせることができます。その場合にはブドウ糖だけでなく果糖でもよく、血糖値を急上昇させることなく空腹を抑えるのに効果があるのは果物です。果物には果糖が多く、ブドウ糖は少なめになっています。
果糖はグリセミックインデックスが20とブドウ糖の100と比べると血糖値の上昇は5分の1となっています。グリセミックインデックスは炭水化物が50g含まれる食品を摂取したときの血糖値の上昇の度合いを、ブドウ糖50gを摂取したときを100として、どれくらいの割合になるかを表したもので、数値が高いほど血糖値が上昇しやすいことになります。略してGIと呼ばれ、数値はGI値と表示されます。
ブドウ糖1分子と果糖1分子が結びついた砂糖のグリセミックインデックスは60となっています。同じ果物であってもブドウ糖と果糖の割合は違っていて、ブドウ糖が多いのはキウイフルーツ、あんず、すももなどで、ブドウ糖と果糖が同じくらいの割合になっているのはブドウ、いちご、柿などです。果糖が多いのはスイカ、なし、りんご、ビワなどです。
空腹感が強くて、食事をしたくなったときに、それを抑えるためには脳の欲求を抑えないといけないので、ブドウ糖が多めに含まれた菓子を食べたほうがよいとされます。菓子ではなく、菓子感覚で果物を食べるにはドライフルーツが有効で、ブドウ糖が多く含まれるあんず(アプリコット)、レーズン(ブドウ)、すもも(プルーン)が向いています。
果糖は血糖値をあまり上昇させないものの、多く摂りすぎると肝臓で作られる脂肪が増えてしまいます。そのために中性脂肪値が高まりやすく、脂肪を増やす原因にもなります。たくさん食べるほど脳が落ち着くわけではないので、空腹を我慢するために食べすぎは厳禁です。
果物の水分を乾燥させたのがドライフルーツなので、果物に含まれている食物繊維が凝縮されています。しかも不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれているので、便を軟らかくしてくれたまま腸壁を刺激することができるので、便通をよくしてくれます。あんず(ドライアプリコット)、プルーン(西洋すもも)、イチジクは食物繊維が多く、その中でも水溶性食物繊維が多いのは、あんずのドライフルーツです。これらの食物繊維は腸内細菌の善玉菌の栄養源で、特に善玉菌が分解して栄養となるので、腸内環境を整えるのに適しています。