182 冷たいおにぎりのレジスタントスターチなら糖質制限なし

ご飯に含まれるデンプンは、すべてが消化されて吸収されるわけではなく、3~10%は消化も吸収もされず、これはレジスタントスターチと呼ばれています。レジスタントは消化されない、スターチはデンプン(澱粉)を意味します。難消化性デンプンとも呼ばれています。ご飯に含まれる食物繊維は消化も吸収もされないのですが、それと同じ作用があります。
デンプンはブドウ糖が多く結合したもので、鎖状につながった形のアミロースと枝分かれした形のアミロペクチンがあります。ご飯を炊くとアミロースとアミロペクチンの結合が解けたα化されて消化されやすくなりますが、冷えるとβ化して再び結合します。この再合成されたデンプンがレジスタントスターチで、消化されにくい構造に変化しているので、多めに食べても血糖値が上昇しにくくなります。
炊き立てのご飯はα化しているので、おいしく食べられるものの消化される量が多くなり、吸収量も多くなります。それに対して冷めたご飯はβ化しているので硬めになるものの、消化・吸収されにくいので、同じだけの量を食べても血糖値が上昇しにくくなり、ダイエットしやすいことになります。血糖値が吸収されなかったデンプンは腸内で腸内細菌の善玉菌の栄養源(エサ)になるので、それだけ善玉菌を増やして、腸内環境を整えることができるようになります。
同じだけの量ならレジスタントスターチが多い冷えたご飯のほうがダイエット効果はあります。冷えたご飯だけを食べるのは味気がないので、1食だけを変えるなら、ブドウ糖によって脂肪が増えやすくなる夕食を冷えたご飯にすることで、ダイエットの効果が得られます。
食物繊維が多い玄米や胚芽米、雑穀は消化されにくく、レジスタントスターチは食物繊維と同じような働きがあるので、玄米や胚芽米を食べるのが一つの方法です。ご飯に雑穀を混ぜると食物繊維が多くなりますが、雑穀を混ぜたご飯を冷えた状態で食べれば、効果が高まります。
じゃがいものデンプンはレジスタントスターチが多く、豆類にもレジスタントスターチが多く含まれています。おかずには、これらのものを増やすようにします。また、トウモロコシを材料にしたコーンフレークにもレジスタントスターチは多く、朝食のシリアル食品は吸収されやすくなっています。