認知機能の研究が進む中、脳の健康によい食品が明らかになっています。理論での解明だけでなく、大規模調査によって実際に認知症の発症率が低い人が食べている食品が判明しています。それは野菜、海藻、魚介類、大豆製品、乳製品で、これまで栄養バランスがよい食品として取り上げてきたものです。
脳神経細胞の維持には、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が有効であることが確認されています。DHAとEPAの有効性だけでなく、血管の老化を予防する意味でも重要性が認められています。
認知症というとアルツハイマー病に代表されるように脳細胞の萎縮が大きな原因と考えられているのは事実です。認知症の分類ではアルツハイマー型が約60%、脳血管性型が約20%、レビー小体型が約10%、その他が約10%となっています。アルツハイマー型のうち半分ほどは脳血管の老化が認められ、脳血管に異常がなければ認知症にならなかったか発症が遅れていた可能性が高くなっています。
認知機能は高齢者(65歳以上)の場合には加齢につれて低下していくので、それが認知症に繋がらないようにするのは発症を遅らせること、発症したとしても症状を抑えることが大きな対策となっています。