216 歩数計をつけるとやせられる

歩数計は、その名のとおりで歩数を計測する装置です。1日に何歩を歩いたかを記録するのが主な目的で、歩行距離や消費エネルギー量などを記録するものもあります。歩数計をつけて歩くだけでやせられるのなら苦労はしないのですが、グループで実施すると全体的には体脂肪の減少がみられます。その理由は、歩数が表示されることによってモチベーションが高まり、もっと記録を延ばしたい、それを他の人に見てもらって誉めてほしいという気持ちが高まっていきます。この気持ちを利用して、歩数計をパソコンにつないで、同じ歩数計を持っている人と比べてランキングするものも登場しています。
歩数計という名称は一般名で、歩数計のことを“万歩計”と呼んでいる人もいますが、これは1社(山佐時計計器)の商標です。ここでは歩数計という言葉を使って話を進めることにします。
歩数計をつけて歩数を増やしたことで、ただやせるだけでなく、健康増進に役立つことが求められています。歩数と健康状態について調査研究した中之条研究(群馬県中之条町)では、歩数計を装着して歩数増加への意識を高めた40〜65歳の町民の医療費が抑制されたことが報告されています。3年間の調査の結果、歩数計を装着していない町民では医療費が増加したのに対して、装着した人の毎年5月診療分の医療費は2万140円から1万1650円に抑制されていました。70〜74歳の3年間比較では、歩数計を装着した町民の毎年5月診療分の医療費は1万6750円から1万3430円に抑制されていました。
太っている人に多く蓄積されている内臓脂肪には、血圧、血糖値、中性脂肪値などを上昇させることが知られていますが、そのことからいうと歩いて内臓脂肪が減ることは、生活習慣病を予防・改善するのに役立つので、是非とも歩く機会を増やしてほしいものです。