237 運動と食事のタイミングで体脂肪を減らす

運動と食事のタイミングで体脂肪を増やしやすくする方法と、逆に減らしやすくする方法とがあります。希望として多いのは「無理をしないでやせたい」ということなので、体脂肪を減らすタイミングについて先に説明します。
運動の後に食事をすることで効果が高まるのは、空腹時に運動をしたときです。空腹時は、医薬品の摂取タイミングとしては食事と食事の中間の時間を差していて、昼食を12時に食べ始めて夕食を18時に食べ始めるときには15時から16時の間ということになります。メディカルダイエットでは、食事を食べる前の特に空腹になっている時間帯のことをいいます。
このときには血液中のブドウ糖、つまり血糖が少なくなっているので、ブドウ糖を多く消費する運動をすると、それを補うために筋肉に蓄積されているグリコーゲンを分解して、ブドウ糖となります。ブドウ糖が数多くつながったものが糖質を保存する役目のグリコーゲンです。グリコーゲンが分解されて、ブドウ糖として血液中に放出された後に食事をすると、肝臓でブドウ糖を結合させてグリコーゲンが多く合成されるようになります。その結果、食事で摂った糖質の割には血液中のブドウ糖を減らすことができます。
血糖値が上昇すると膵臓から分泌されるインスリンが多くなります。インスリンは細胞へのブドウ糖の取り込みを促進させる唯一のホルモンであると同時に、肝臓で合成される脂肪酸を増やす働きもしています。血糖値が低めになることによってインスリンの分泌量が減ると、脂肪合成が抑えられるので、体脂肪の蓄積も減るようになります。このメカニズムから、運動後の食事にはダイエット効果があるのです。