260 血糖対策のウォーキング2

血糖対策のウォーキングは歩くスピードが重要になります。普通の速度(時速4~5km)でも10分間も歩けば、ブドウ糖の燃焼の効果があります。しかし、もっと効果を高めるためには速歩がすすめられます。速歩は一般には普段の歩き方よりも20%ほど速く歩くスタスタ歩きのことを指します。時速にして7km以上になりますが、少し息が弾むような速歩でもジョギングに比べて30%ほど消費エネルギーが少ないだけです。つまり、速歩で10分間も歩いたほうが血管への負担も少なく、燃焼効果が高いということです。
運動を行う時間帯としては、血糖値が上昇した食後1時間から2時間後に行うのが最も効果的です。とはいえ、運動は時間帯に限らず行ったほうがよいので、食後に時間が取れない人は、できるときに行えばよいと考えられています。
血糖値が高めの人には、ウォーキングなどの持久運動のほかに、筋肉をつけるための強化運動も指導されることが多くなっています。血糖値が高い人は、筋肉細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギーとする力が弱くなるため、ブドウ糖の代わりに脂肪もエネルギーとして使われるようになります。そのために糖尿病まで進むと脂肪がエネルギーとして使われるために、だんだんとやせてきます。また、筋肉に蓄えられているたんぱく質もエネルギーとして使われるために、筋肉が衰えていくようになります。
糖尿病予備群と呼ばれる血糖値が高い状態では、筋肉が急に減っていくようなことはないものの、筋肉への負荷が不足すると徐々に筋肉が衰えていくことになります。ブドウ糖は筋肉で多く使われているため、筋肉の量が増えることは、それだけブドウ糖が筋肉に取り込まれることになり、血糖値も下がりやすくなります。
筋肉の能力というと瞬発力と持久力があげられますが、もう一つ筋代謝力が注目されています。これは筋肉がブドウ糖や脂肪酸を燃焼させる能力のことで、有酸素運動を続けることで高まっていきます。筋代謝力を高めるためにもウォーキングは有効です。