三大ヒトケミカルのコエンザイムQ10は体内で合成され、そのピークは20歳までです。そのため、20歳までの人は、細胞のミトコンドリアの中でエネルギー産生を促進するための補酵素であるコエンザイムQ10をサプリメントで摂る必要はないとされています。しかし、体内でコエンザイムQ10を合成するためには、その材料となるものが必要で、これが不足していたらコエンザイムQ10も不足することになります。
コエンザイムQ10は脂溶性のビタミン様物質で、酸化型はユビキノン、還元型はユビキノールと呼ばれています。コエンザイムQ10は必須アミノ酸のチロシンとフェニルアラニンから合成されるアミノ酸の一種です。チロシンはチーズから発見されたアミノ酸で、納豆や味噌などに多く含まれています。体内ではフェニルアラニンから合成されていますが、神経伝達物質のドーパミンやアドレナリンの前駆体となって脳機能を活性化させるほか、ストレスの軽減作用、集中力の向上、皮膚のメラニンの原料になるなどの作用があります。フェニルアラニンは牛乳、卵、肉などのたんぱく質に多く含まれています。
不足している人が補給を考えるときにはコエンザイムQ10が含まれる食品を食べることも大切で、それに該当する食品としては牛肉、豚肉、内臓肉、魚(イワシ、サバ)、ピーナッツ、ブロッコリーなどがあげられます。これらの食品が不足している場合には20歳以下であってもサプリメントの補給も必要となります。
サプリメントのコエンザイムQ10は脂溶性であるので、胃の中に油脂がある状態でなければ吸収されません。そのため、食事の後に摂る必要があり、空腹時に摂った場合には素通りしてしまいます。
サプリメント製品の中にはコエンザイムQ10が食事内容と無関係に吸収されやすく加工したものがあります。それはシクロデキストリンによって包接させたもので、一般のコエンザイムQ10の吸収率が1%ほどであるのに対して、10倍以上にも高められたものもあります。表示を見て、包接型となっているものを探すことです。
コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。