299 子供のためのL‐カルニチン

三大ヒトケミカルのL‐カルニチンは体内で合成され、そのピークは20歳までです。そのため、20歳までの人は、細胞のミトコンドリアに脂肪酸を取り込むために必要となるL‐カルニチンをサプリメントで摂る必要はないとされています。しかし、体内でL‐カルニチンを合成するためには、その材料となるものが必要で、これが不足していたらL‐カルニチンも不足することになります。
L‐カルニチンは必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されるアミノ酸の一種です。リシンはリジンと以前は呼ばれていました。リシンは穀類には少なく、肉、魚、豆、卵、乳製品に多く含まれています。リシンには、たんぱく質の吸収促進、ブドウ糖の代謝促進、カルシウムの吸収向上、肝臓の機能強化、免疫強化などの作用があり、不足すると疲れやすくなり、貧血やめまいなどの症状が現れるようになります。こういったことにリシンが使われると、体内で不足するためにL‐カルニチンに合成されにくくなります。
メチオニンは硫黄を含むアミノ酸で、血液中のLDLコレステロール値を下げ、活性酸素を消去する作用があります。活性酸素の発生量が多い人は、不足しがちです。多く含まれる食品としては肉、果物、野菜(ほうれん草、グリンピース、ニンニク)、ナッツ(カシューナッツ、ピスタチオ)、豆(インゲン豆、テンペ)があげられます。
これらの食品が不足している人が補給を考えるときにはL‐カルニチンが含まれる食品を食べることも大切で、それに該当する食品としては肉類、中でも羊肉があげられています。羊肉を食べると太らないと言われていたのはL‐カルニチンが多く含まれていることが根拠とされていました。羊肉なら、どれも同じではなくて、子羊のラムは少なく、肉類の中で最も多く含まれているのは少しクセがある成肉のマトンです。
もっと不足している場合には20歳以下であってもサプリメントの補給も必要となります。サプリメントのL‐カルニチンは水溶性なので吸収率はよいのですが、たんぱく質と相性がよくて、たんぱく質が多く含まれる食品と一緒に摂ることによって吸収率が高められます。
L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。