DNA Answer38 食事の困難さが支援の困難さにつながる

発達障害児の支援を実施するに当たって大変なことは数多くあるのですが、私たちのDNA講習の立場でも、こんなに大変なことがあるのかと気づかされることは多々あります。発達障害は食事の困難さがあり、それは五感(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)の特徴による食べにくさがあり、中にはまったく食べられないものが出てくることもあります。

それも好き嫌いの範疇ではなくて、感覚過敏によって食べられない、感覚過敏は調理などによって克服できたとしても食材そのものへの拒否反応、なんとか食べることができたとしても発達障害による自律神経の乱れから消化、吸収、循環、代謝、排泄といった一連の流れにも困難さが生じる場合もあります。

こんなにも食べることに苦労をしているのに(調理する保護者などだけでなく、食べる発達障害がある人も)、発達障害を改善するためには栄養摂取が重要になるということがわかってくると、どうやって実際の食事に落とし込んでいけばよいのか考えが及ばない、という声がDNA講習を受けている方から聞かれます。

食べられないものがあるのに、それを食べても栄養摂取をしてもらわないことには、改善が難しいとなると、このことを聞いただけでDNA講習の受講を諦めてしまう方も実際にいました。

これは今までの栄養学で常識とされてきたことに囚われているからで、本格的に栄養学を学んだ栄養士や食生活に関わるアドバイザーなどの常識では対応しきれないところがあるかもしれません。

現状の食事では不足する栄養素があり、それを摂取するための方法としてサプリメントの活用が求められることがあります。それに簡単に応じることはしてはいけないと考えています。食事は栄養摂取のためだけに行っているわけではないからです。

かといって栄養の専門家が口にすることが多い、「栄養は食事で摂取するべき」ということでは対応できないことがわかっているので、栄養素以外の食による健康づくり、日本人の食文化を尊重しながらも折衷案としてサプリメントの活用も考えていく必要があります。

サプリメントではなく、野草やハーブ、特別なおやつなどの活用もあってよいわけで、それぞれの困難さに対応する、細かな対応が求められます。その支援をし続けられるように、採用したのが資格認定方式の講習なのです。
〔発達栄養指南:小林正人〕