DNA Answer51 ニッチな存在の発達栄養

発達栄養の研究を進めて、その対応法を講習によって伝えていると話すと、「ニッチな世界ですね」と言われることがあります。ニッチ(niche)は狭い範囲と訳されることもありますが、ビジネス用語では隙間を指しています。そこから転じて、マニアックや風変わりと訳されることがあるものの、最近の多様性の時代を反映して“個性的な”というような使われ方に変わってきています。

発達障害という狭い範囲の中の、さらに狭い栄養という分野というのがマイナスイメージのニッチであっても、私たちの特徴的な活動としてはプラスイメージの褒め言葉のように感じています。だから、「もちろんニッチな活動です」と堂々と語るようにしています。

発達障害児の支援というと、すべての子どもの10%も発達障害児が存在しているといっても、18歳未満のことなので、それほど対象者が多いというわけではありません。発達障害の特性は生涯にわたって続くものであるので、その場合の支援対象者は全国民の10%で1200万人はいることになります。

この数になると、認知症患者の2倍ほどにはなりますが、発達障害児の実態がわかるようになってから、まだ10年ほどしか経過していないので、発達障害者の実態も正確には把握されていなくて、支援の内容についても確定されていません。

発達障害の特性の原因の一つが体内で不足する神経伝達物質のセトロニン不足であることがわかり、それが自律神経に影響を与えて栄養の吸収にも体内での活用にも影響を与えていることもわかってきました。その栄養面のマイナスがセトロニンの体内での合成に必要な栄養成分の吸収にも影響を与え、それが神経伝達を低下させるという悪循環に陥ることにもなります。

それを好循環にするのが発達障害の改善策としての栄養摂取で、それがDNA資格認定講習で熟知してもらおうとしていることです。
〔発達栄養指南:小林正人〕