健康長寿は、誰もが望むことです。長寿であっても寝たきり状態で、好きなことができないというのでは長生きの意味がないということは多くの人が賛同することでしょう。健康で長生きするためではあっても、好きなことを、すべて犠牲にしなければならない方法なら、誰も見向きもしないはずです。できるだけ楽に、そして長く続けられる方法を求める人が多いこともあり、健康長寿の食品は、多くの人たちに支持されています。
長野県の蕎麦、熊本県の馬肉、静岡県の緑茶、島根県のシジミ、広島県の牡蠣、富山県のコンブ、そして沖縄県のシークヮーサーなどは健康長寿の食品として全国的にも知られています。これらの食品を食べている地域は長寿者が多い、だから、その食品を食べれば健康で長生きできる、という図式なのでしょうが、そう簡単にはいきません。
健康長寿の食品といえば、沖縄県を思い浮かべる人も多いことでしょうが、かつてのイメージから実は大きく変わってきています。
「沖縄県はWHO(世界保健機関)が認める世界一の長寿地域」と長らく事実として言われてきました。世界一の長寿地域ということは当然、日本一ということになります。しかし、2000年にショッキングなことが起こりました。女性の平均寿命は調査が始まってから1位を誇ってきましたが、男性は1995年に4位となり、2000年には26位に急落し、「26ショック」と呼ばれました。
最新の調査(2015年)では沖縄の男性の平均寿命は36位にも下がっています。これまで沖縄県の食事の研究は長寿の食品一辺倒だったのが、沖縄県の食品のうち何が健康に被害を与えているのかということに移っていきました。