Medical Diet181 運動をしないと脂肪が分解しにくい

体脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を指しています。中性脂肪は脂肪酸3個が結びついた貯蔵型の脂肪で、脂肪細胞の中の中性脂肪は簡単には分解されないようになっています。

運動をして興奮作用がある神経伝達物質のアドレナリンが分泌されると、脂肪細胞にあるアドレナリンレセプター(受容体)がアドレナリンの刺激を受けて、中性脂肪を分解させるように働きます。

分解された脂肪酸は、血液中に放出されて、脂肪酸をエネルギー代謝させる全身の細胞に運ばれていきます。運動をしないと体脂肪が減らないのは、アドレナリンの分泌が大きく影響しているからです。

神経伝達物質のアドレナリンは年齢が進むにつれて分泌量が減ってきます。加齢によって運動をしても、なかなかやせないという理由の一つに、アドレナリン不足があげられます。だからといって運動の効果がなくなるというわけではなくて、年齢が進むほど運動にかける時間を増やさないといけなくなるということです。

アドレナリンは腎臓に上側にある副腎から分泌されています。アドレナリンを分泌させるには副腎の細胞が正常に働く必要があり、そのためには細胞で発生するエネルギーが多く必要になります。大きなエネルギー源となっているのは脂肪酸なので、運動をして脂肪酸を多く副腎に送られるようにして、副腎のエネルギーを増やすことが大切です。

脂肪酸は細胞のミトコンドリアに取り込まれないとエネルギー化されないわけですが、脂肪酸はL‐カルニチンと結びついてミトコンドリアに入っていきます。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、それ以降は年齢を重ねるほど合成量が減っていきます。

これを補うにはL‐カルニチンが多く含まれる食品を食べる方法もありますが、その食品は肉類なので脂肪の摂りすぎにもつながります。そこでL‐カルニチンをサプリメントとして摂る方法がすすめられています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)