高血圧対策のサプリメント・健康食品と、同じ目的の医薬品を同じ人が摂ると、体内で効きすぎて血圧が下がりすぎることがあります。そのため、血圧が高めであった人が医薬品を使う段階になると、血圧を抑制する作用がある素材が使われた健康食品が禁止されるのは普通にあることです。
血圧抑制作用のある素材としてはペプチドが有名です。
◎イワシペプチド
イワシのたんぱく質が酵素分解したペプチドで、サーディンペプチドとも呼ばれます。たんぱく質は通常は構成成分のアミノ酸まで分解されますが、ペプチドは2個から数十個のアミノ酸が組み合わされた大きな組成で、そのまま吸収されて体内で作用します。生理活性物質のアンジオテンシンⅠがアンジオテンシンⅡに変換されることで血圧が上昇しますが、イワシペプチドに含まれるバリルチロシンにはACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害作用と血管拡張作用があり、血圧降下作用があります。また、血液中のLDL(低比重リポ蛋白)や中性脂肪を減少させる作用があります。ペプチドはアミノ酸よりも大きいため、血液中に保持される時間が長く、作用の持続性も認められています。一部の商品は、特定保健用食品として「血圧が高めの方に適した食品」の表示が認められています。
◎オリゴペプチド
たんぱく質が酵素分解したペプチドで、アミノ酸が2~10個ほど結合しています。消化管プロテアーゼに耐性があり、ペプチド構造のまま吸収されます。生理活性物質のアンジオテンシンⅠがアンジオテンシンⅡに変換されることで血圧が上昇しますが、オリゴペプチドに含まれるバリルチロシンにはACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害作用と血管拡張作用があり、血圧低下作用があります。一部の商品は、特定保健用食品として「血圧が高めの方に適した食品」の表示が認められています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕