乳製品などに含まれる鉄と結合した赤いたんぱく質で、「ラクト=乳の」と「フェリン=鉄と結合するたんぱく質」からラクトフェリンと名づけられました。ラクトフェリンは母乳に含まれる全たんぱく質の約20%を占めていて、中でも初乳には常乳の3倍以上も含まれています。牛乳からチーズを製造するときに出る上澄みの乳清が原料で、ラクトフェリンは乳清1ℓ中に0.1gほどしか含まれていません。人などの哺乳類の乳汁や唾液、涙、鼻汁などに含まれ、目、鼻、口などの病原菌が侵入しやすい場所に多く存在しています。抗菌・抗ウイルス作用、免疫調整作用、ビフィズス菌増殖促進作用、鉄吸収調節作用、抗炎症作用、ピロリ菌抑制作用、C型慢性肝炎改善作用がある。免疫強化によって間接的に感染やがんから体を守る生体防御作用があり、がんや肝炎、アレルギー、歯周病、貧血などの改善の研究も進められています。このほかに脂肪分解促進作用が確認されています。脂肪は脂肪分解阻害たんぱく質のペリリピンによって脂肪分解酵素のリパーゼから守られていますが、ラクトフェリンにはペリリピンを減らす作用があり、脂肪分解が促進されます。