「三」9 談合三兄弟

三兄弟といえば三本の矢で有名な戦国武将の毛利元就が隆元、元春、隆景が有名で、元就が臨終の際に、子どもの数だけ矢を持ってこさせて、「多くの矢を一つにして折りたらんには細き物も折りがたし」と述べたと伝えられています。

一本ずつの矢は折れるが、束にすると折れない、ということで、兄弟が心を合わせて行動するように伝えたという逸話です。

遺言を受けた三人の子どもの名前にちなんでつけられた四股名が、若隆元、若元春、若隆景の大波三兄弟です。若は祖父(若葉山)と父(若信夫)から受け継いでいます。大波は三兄弟の名字です。

これ以前の三兄弟といえば「だんご3兄弟」(1999年「おかあさんといっしょ」で一世風靡)を思い浮かべる世代も多いかと思いますが、今回のテーマは「だんご3兄弟」をもじった「談合三兄弟」です。

この言葉がメディアに登場したのは、ある関東の自治体の談合を仕切っていた建設業者が、自治体の長の私設秘書のような形で動いていて、実際に建設の仕事を多く請けていたときに三兄弟であったことから格好の週刊誌ネタとなりました。

談合は、本来は話し合いをすることで、事前に話をしておくことによって、よい方向に進めていこうとすることで、戦略は談合そのものとなります。ところが、競争入札で競合業者が話し合いで入札金額を決めて、順番に仕事を取っていくことから自治体が支払う金額が高くなり、住民の税金が余分に使われることになっているため、悪い意味で使われることが多くなりました。

談合は2人以上での話し合いで成立しますが、2人だけだと身勝手な決め事をされることもあるので、3人以上での談合が“良い談合”の基本となります。公益の市民活動を行う団体である特定非営利活動法人(NPO法人)の理事は3人以上と定められています。

「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があるように、最低でも3人が集って、正しい談合をすることが大切であるということを伝えたくて、悪い意味の“談合三兄弟”を使って書き進めてみました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕