「発達障害≠障害」が理解されていない

発達障害児の支援施設は、支援が必要な子どもの数に対して少なすぎることを、岡山県を例にして以前に紹介しました。岡山県の場合には1施設が50人を受け入れられるとすると7300人のキャパであるのに対して、発達障害児の総定数は2万4000人(子どもの数が約24万人の10%として計算)であるので、3人に1人も施設で支援が受けられないという状態となっています。岡山県は医療、福祉、教育が充実した地域で、大きな社会福祉法人が活躍している優位な地域ですが、それでもこの状況なので、全国的に見ると受け入れてもらえず、家庭内で対応するしかない子どもたちは相当な数になっているはずです。
だからこそ、早期発見した発達障害児を早期支援のために受け入れてくれる支援施設を増やす必要があり、それを行政も支援しています。経済的にも支援する仕組みもあるのですが、支援施設の開設のために物件を借用しようと動いても、なかなか貸してもらえないという現状もあります。子どもたちが通いやすい、というか親が送り迎えしやすい交通の便がよいところにしようとオーナーに交渉しようとしても「障害児の出入りは困る」といった反応が返ってきます。
発達障害は障害ではない、発達障害児は障害児とは違うということを力説しても、病気の分類名は発達障害で、法律も発達障害者支援法で、しっかりと“障害”と書かれています。それを見て、「発達障害=障害」と思い込んでいる人に対して、「発達障害≠障害」という認識を持ってもらうためには社会的な理解を進める地道な活動が必要だということは充分に認識しています。
そして、発達障害児の支援に取り組もうとして頑張っている方々を差別するようなことが起こらないようにするためには、社会的な理解のために発達支援に取り組んでいる方々、取り組もうとしている方々と協力しての活動が重要となります。日本メディカルダイエット支援機構が地域活動として、おかやま次世代育成推進協議会とともに児童発達サポーターの養成に取り組んでいるのは、その意味もあるのです。