エネルギー代謝87 L‐カルニチンの製造地による機能の違い

脂肪代謝成分のL‐カルニチンは肝臓で合成されて、細胞のエネルギー代謝を高めるために使われています。細胞のエネルギー産生器官のミトコンドリアの膜は脂肪酸が単体では通過できなくて、L‐カルニチンと結びつくことによって初めて通過できます。

L‐カルニチンの体内合成は20歳前半をピークにして、加齢によって徐々に低下していきます。このことが年齢を重ねると代謝が低下して、太りやすくなり、疲れやすくなることに関係しています。

L‐カルニチンは以前は医薬品(カルニチン欠乏症治療薬)の成分でしたが、今では食品の成分としても摂取することが許可されています。そのおかげで、脂肪のエネルギー代謝を進めることができるようになりました。

国内のL‐カルニチンのシェアの8割を占めているのは、スイスの製薬会社ロンザの日本企業のロンザ株式会社です。そのL‐カルニチンは中国で製造されています。中国製造というと品質や安全性が心配されることがあるのですが、元が医薬品の成分であったので製薬レベルの自社工場で製造されています。

ロンザのL‐カルニチンは以前は別の国の自社工場で微生物発酵法によって作られていましたが、これを凌ぐ化学合成法(野依法:ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏の開発した反応法)が開発され、2011年から中国の工場で高純度のL-カルニチンを製造されています。ロンザのL‐カルニチンが品質が高く、有効性も高いと評価されるのは、中国で製造されるようになったからです。

ちなみに、日本で発売されているビタミンCをはじめとしたビタミン類の多くは中国の製薬レベルの工場で製造されています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)