エネルギー代謝89 人間は充電できない

余計なことを何もせずに、ゆっくりと休むことは「充電する」と表現されることがあります。身体にエネルギーを溜め込むことを最優先させて、エネルギーが使われることを避けて過ごすには、いわゆる「食っちゃ寝」がよいとの考えがされることもあります。

「食っちゃ寝」生活を繰り返していたら太ってしまうわけですが、これはエネルギーを大きく使いすぎて、休養が必要になった人には必要と思われるかもしれません。しかし、人間の身体は食べて、動かないようにすれば充電されるようにはなっていません。

充電というと外部から電気を入れて、内部に溜め込むという電気製品がイメージされますが、身体には充電される装置に当たるものはありません。生きている限りはエネルギー源を使って、細胞のミトコンドリアの中でエネルギーを作り続けています。

このエネルギー代謝は、ただエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を体内に取り入れば自然に起こるものではありません。エネルギー源がミトコンドリアのTCA回路で使われる高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化するときには、ほとんどの水溶性ビタミン(ビタミンC以外)が必要になります。1種類でも不足するとアセチルCoAに変わりにくくなって、エネルギー代謝が低下することになります。

ミトコンドリアで作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われないので、多く発生した部分があっても、そこで余分となったエネルギーが他の細胞に流れていって使われることもありません。

全身の細胞で作り出されるエネルギーを増やそうとしたら、エネルギー源と水溶性ビタミンは必要ですが、もう一つの要素があります。それは酸素です。酸素を多く使うことでエネルギー産生が進むので、「食っちゃ寝」ではなくて、必要な物を食べて酸素を多く取り込むために動くというのが身体のメカニズムに合った“充電法”ということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)