エネルギー代謝91 体内のエネルギーは流れていかない

身体の中で作り出されたエネルギーは、全身を巡るようにイメージされることがありますが、エネルギーは細胞の中で作り出されて、その細胞の中だけで使われています。細胞の中で作り出されるエネルギーは、食事で摂ったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を細胞の中のミトコンドリアでエネルギー化させる生化学反応によって発生します。

このエネルギーは熱エネルギー、活動エネルギー、神経エネルギーの他に、新たな生化学反応を起こすために使われます。生化学反応は細胞の中で起こる、さまざまな反応で、細胞に必要な成分(タンパク質、酵素、ホルモン、神経伝達物質、代謝促進物質など)を作るために使われます。

例えばホルモンや神経伝達物質を作り出すアミノ酸が含まれる食品(たんぱく源)を摂ったとしても、細胞の中にエネルギーが充分になければ、成分が期待するほど多くは作られず、身体機能も期待どおりには盛んになっていかないということです。

多くのエネルギーが細胞の中で作り出されても、そのエネルギーが他の細胞の電気のように流れていくわけではないので、全身の機能を高めようとしたら、全身の細胞にエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を届けて、それぞれの細胞でエネルギーが盛んに作られるようにしなければなりません。

エネルギーは流れてはいかないものの、神経細胞の情報は神経伝達物質によって隣接している神経細胞にバトンタッチされていきます。また、ホルモンは細胞から分泌されて他の細胞に伝えられていきます。

また、エネルギーは流れていかないとしても、作り出された神経伝達物質やホルモンなどは流れていくので、それによって離れた細胞を働かせることができるという仕組みになっているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)