ストレスは血流を乱して脳の働きを乱す

ストレスが高まると、興奮ホルモンのアドレナリンが分泌され、呼吸数と心拍数が増え、血圧が上がり、末梢血管が収縮する、といった身体の変化が起こります。ストレス状態は自律神経の交感神経の働きを活発にさせます。交感神経の働きが活発になって、興奮状態になったときには全身の働きが活発になることで細胞でのエネルギーの発生量も多くなり、活性酸素が多く発生するようになりますが、中でも特に活性酸素を発生させるのは末梢血管が収縮するときです。
ストレスによって血管が収縮すると血液の流れが一時的に低下します。そのあとに元の状態に戻って血流が急に高まるときに細胞に多くの酸素とエネルギー源が送り込まれることによって活性酸素が多量に発生します。
ストレスには身体的なストレスと精神的なストレスがあります。身体的なストレスは身体を休めることで低下させることができるために、休養を取ることでストレスによる活性酸素の発生量を抑えることができます。それに対して精神的なストレスは、身体を休めても原因が続く限りはストレス状態が続くことから活性酸素は発生し続けることになります。人間の身体は、さまざまな機能調整によって正常な働きが保たれていますが、中でも自律神経による調整が最も大きな影響をもたらしています。
自律神経は、環境や身体の状況に応じて、本人の意思とは無関係に自動的に働き、体内を常に最良の状態に保ち続けるために働く神経となっています。暑いときに汗をかいて体温の上昇を抑えるのも、運動をしたときに心臓の鼓動を早くして筋肉に大量の酸素を送るのも、食後に胃腸の働きを活発にして消化・吸収を促進するのも、すべて自律神経が調整を行っています。
“腸は第2の脳”と言われています。これは神経伝達物質のセロトニンが腸で作られていることが関係していますが、腸は脳からの指示を受けることなく自ら調整を行っていることも指しています。その自らの調整を行っているのが自律神経です。