ツイン・ウォーク59 高齢者のための筋肉強化歩行

ウォーキングは筋肉の負荷を高める歩き方をすることによって強化していくことができるといっても、高齢者の場合には筋肉にタンパク質が取り込まれにくくなっています。運動をすると筋肉は傷つき、その傷にタンパク質が取り込まれることによって筋肉が増えていきます。

筋肉の細胞は繊維状になっていることから筋繊維と呼ばれていますが、筋繊維の数は生涯にわたって変わることはありません。誕生したときから人生の最後を迎えるときまで筋繊維の数は変わらないわけですが、年齢を重ねると筋肉量が減っていきます。これは筋繊維が細くなっていくからです。

筋繊維は刺激を与えることによって太くしていくことができます。そのためには筋肉に傷ができたときに、これを修復するためのサテライト(衛星)細胞がタンパク質を多く集めてくる必要があります。このタンパク質が多いほど、筋肉についていくタンパク質が増えるようになります。

サテライト細胞がタンパク質を集めてくるためにはAMPキナーゼという酵素が必要で、この酵素が多く発生するためには酸素が不足するような状態になることが条件となります。通常の有酸素運動では酸素が不足するようなことはないのですが、速歩をすると酸素量が足りなくなります。

成人の場合には酸素をエネルギー化する能力が高いので少し息が切れるような状態ではAMPキナーゼは増え難いのに対して、高齢者は酸素が多く必要な状態になっただけでもAMPキナーゼが増えていきます。
そのため、高齢者は速歩をするのが効果
的ということになりますが、ずっと速歩を続けるのは大変であるので、速歩と普通歩行を繰り返すインターバルウォーキングがすすめられるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕