発達障害支援14 ABC分析1 行動の強化と弱化その1

1)行動の強化と弱化
問題行動の改善についてABC分析の立場で解説していくが、要求の実現のところで取り上げた、ほしいために泣くという行動について詳細をみていきます。

ABC分析では、行動の原因となった先行刺激(先行事象)、行動、その結果としての後続刺激(後続事象)に分けて考えられています。

おもちゃ売り場の前を通ったという先行刺激があり、おもちゃ売り場の前で泣くという行動によって買ってもらえたという要求の実現があると、次にも同じ実現を求めて、おもちゃ売り場の前で泣くことを繰り返す行動の強化が起こります。

その結果として行動が増加し、行動の程度も泣くだけでなく、座り込んで動かない、動かそうとすると叩く、他のおもちゃを投げたり壊そうとする、といったことに進んでいく例があります。

泣いても買ってもらえないことによって行動のエスカレートが起こることもあるが、それは要求が実現されたことの結果であって、行動を起こしても買ってもらえなかったという結果があると、買ってもらえるまで泣くことが減少していく行動の弱化が起こるようになります。

ここで例としてあげた行動の強化は望ましくない結果として示していますが、強化となるのはおもちゃやお菓子といった物の購入という快感だけでなく、ほめられたり、自分でよい結果と思える体験など、本人が喜びとして感じられることも含まれています。

望ましい強化としては、お手伝いをしたときに、ほめてあげると、それが快感となり、もっとほめられるように、よく手伝いをするようになるということがあげられます。特に自分から積極的に行動(お手伝い)を起こしたときにほめられると、それが行動の動機づけ(モチベーション)となって、より積極的になっていくことになります。

それとは逆に、お手伝いをしたときに、ほめられることがないと、喜びがないために、お手伝いをする機会が減っていくようになります。本人が積極的に行動を起こそうと思っているときに、ほめられないと、これが機会となり、お手伝いをしなくなることにもつながるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕