ドライフルーツの摂取タイミング

ドライフルーツには食物繊維が多く含まれているため、その中に糖分が含まれていても消化に時間がかかることから、ブドウ糖の吸収には時間がかかり、ゆっくりとブドウ糖は血液中に入っていきます。また、同時に食事で摂った糖質もドライフルーツの食物繊維によって時間をかけて吸収されるので、全体的に血糖値が上昇しにくくなります。
血糖値の上昇速度が遅くなると、血糖値のピークが低くなり、血糖値に応じて膵臓から分泌されるインスリンの量も少なくなります。インスリンには肝臓での脂肪合成を進める作用があるので、血糖値が低いほうが太りにくくなるということです。
インスリンの分泌が多くなると血糖値が下がるようになるのですが、血糖値が一定の値よりも下がると空腹を感じるようになります。ところが、食物繊維が多くあってインスリンの分泌量が抑えられると血糖値が大きく下がらないために、空腹を感じにくくなります。このことは、食事の後に、追加で血糖値を少し高めるものを食べたのと同じような結果となることからセカンドミール効果と呼ばれています。
ドライフルーツは空腹時に少し胃を落ち着かせるために食べたり、食事前に食べることがありますが、甘さの割にはブドウ糖の量が少ないので食事に影響することはありません。夕食を作る前に空腹を感じて甘いものを食べるのはよくあることですが、砂糖が多い菓子類を夕食の30分ほど前に食べると血糖値が急上昇してインスリンが多く分泌されます。血液中にインスリンが多い状態で食事をすると、すぐに脂肪合成が始まるだけでなく、食事によって血糖値が上昇したことによって分泌したインスリンによって再び脂肪合成が行われるので、大きく太る原因にもなりかねません。それに対して、ドライフルーツにはブドウ糖が少なく、甘いものを食べたことによる満足感の割にはインスリンが多くは分泌されないので、安心して食べることができます。
運動前後の糖分とミネラルの補給にもドライフルーツは有効になります。ドライフルーツに含まれるビタミンB群は代謝に使われ、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用に使われるので、運動をすると不足しやすくなります。また、汗の中にはカルシウムをはじめとしたミネラルが含まれ、汗をかくほど失われていきます。運動をすると活性酸素の発生量が増え、紫外線を浴びると、さらに活性酸素は増えていきます。これらの成分が豊富なドライフルーツは運動のサプリメントと同じように、常に持ち歩くようにしたいものです。