代謝と糖尿病20 ストレスで血糖値が上昇

ストレスは血糖値を上昇させる要因であることが知られています。その要因を簡単に説明すると、ストレスを起こすような状態から逃げ出すためのエネルギー源として、多くのブドウ糖が必要になるからです。詳しいことは最後に示しますが、その前提としてのメカニズムを紹介します。

副腎皮質刺激ホルモンは、インスリンの拮抗ホルモンでもあり、過剰な分泌によってインスリンの分泌が低下することで血糖値(血液中のブドウ糖の値)が上昇しやすくなります。身体的ストレスが高まっているときには、ブドウ糖が多く消費されているため、ストレスが続くとブドウ糖が不足した状態になります。

そのときに甘いものを少し食べたり、糖分が含まれた飲み物を飲むといったことができないと、体内ではブドウ糖を補って血糖値を上昇させる危機回避の反応が起こってきます。

食事によって身体に入ってきたブドウ糖は、血液中で一定量を保つために使われるものと、エネルギーとして使われるものを除いて、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられます。さらに余ったものは肝臓で脂肪酸になり、中性脂肪に合成されて、脂肪細胞に保存エネルギーとして蓄積されます。グリコーゲンは、ブドウ糖が数多く結びついたもので、血液中でブドウ糖が不足したときには、ブドウ糖に分解されて、血液中に放出されます。

ストレスが高まったときには、その状態から脱するために緊急のエネルギー源としてブドウ糖が血液中に大量に放出されます。走って逃げ出すような状況であれば、そのブドウ糖を消費することができるものの、身体的なストレスが強くても、それほど消費エネルギーが多くない場合には血液中にはブドウ糖が多く残ります。そのため、血糖値が上昇した状態が長く続くことになり、これによって糖尿病のリスクが高まっていきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕