代謝と高中性脂肪血症7 中性脂肪改善の食事のポイントその2

◎脂質の摂りすぎに注意
脂質は、植物油大さじ1杯(12g)で約100kcalと高エネルギー量のため、油を使った料理は高エネルギーになりがちです。例えば、揚げ物に使われている油の量は、とんかつ(1人前)12g、フライドポテト(Mサイズ)20g、てんぷら(1人前)15gと多いため、食べる回数を少なくします。

バター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングなど油が多い調味料も控えめにします。

◎魚食を増やす
青魚の脂肪に多く含まれる脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、肝臓での脂肪の合成を抑えて、血液中の中性脂肪を下げる作用があります。肉食を減らして、魚食を増やすことが大切です。

◎水溶性食物繊維を多く摂る
海藻、キノコ、穀類、豆類、野菜などに多く含まれる水溶性食物繊維は、腸内で水分を吸着して軟らかくなり、中性脂肪や糖質を包み込むようにして一緒に排泄する働きがあります。また、水溶性食物繊維は水分を吸って膨らむことから、満腹感が得やすくなり、食べ過ぎを抑える効果もあります。

◎夕食の食べすぎに注意
夕食を多く食べると1日のトータルの摂取エネルギー量が低くても、脂肪の合成が進み、中性脂肪値が高くなる傾向があるので、夕食の食べすぎには注意が必要です。
夕方は自律神経の副交感神経の働きが盛んになっているため胃液とインスリンが多く分泌されやすくなっています。

脂肪の合成を進めるのは膵臓から分泌されるインスリンで、一般には血糖値を下げるホルモンと認識されています。インスリンには肝臓での脂肪合成を進める作用と、中性脂肪を脂肪細胞に蓄積させる作用があります。そのため、血糖値が上昇しすぎてインスリンが多く分泌されないように、糖質の摂りすぎにも注意が必要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕