健康食品 敵か味方か25 過去に医薬品の成分だった健康食品の成分

医薬品の成分だったものが今は食品の成分として健康食品に使われていると言うと、二つの反応が返ってきます。一つは「健康食品に化学合成の成分が入っているのか」で、もう一つは「それだけ効果があるということか」ということです。

医薬品の成分というと化学合成されたものと認識されがちですが、天然成分が医薬品となっている例もあります。医薬品であった成分が食品成分として健康食品に使われているなら、有効性が確認されているので安心して使えるという反応があるのも当然といえます。
今ではビタミンもミネラルもアミノ酸もハーブも食品として認識されていますが、医薬品として扱われていた時代があります。そのきっかけになったのは1996年(平成8年)のことで、総理府(現内閣府)がアメリカからの市場開放、規制緩和の要求に応えて、サプリメントの規制緩和と販売解禁が実施されることになりました。

初めに厚生省(現厚生労働省)から医薬品であったものが食品として販売できるように許可されたのはビタミンで、1997年(平成9年)のことです。

1998年(平成10年)にはハーブが食品として販売許可されました。

ミネラルが食品として販売許可されたのは1999年(平成11年)のことで、12種類のミネラルが食品として販売することができるようになりました。

2001年(平成13年)にはアミノ酸が食品として販売許可されました。

これによって、それぞれの市場が拡大したわけです。

2001年には、別に医薬品の成分から食品の成分として許可されたものがあります。それは代謝促進成分のコエンザイムQ10です。続いて2002年(平成14年)にはL‐カルニチンが、2004年(平成16年)にはα‐リポ酸が食品の成分として認められました。

この規制緩和のおかげで、有効性が高い健康食品・サプリメント素材を活用することができるようになったのです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕