体質との調和18 コレステロールの健康面の役割

「悪玉コレステロール」という言葉が広まっていることもあって、コレステロールは健康によくないもの、と考えられることもあります。しかし、これは今では間違いであることも知られてきました。

厚生労働省による『日本人の食事摂取基準』には、三大栄養素とビタミン、ミネラルの他に、コレステロールの摂取目標量も示されています。以前の基準(2010年版)では1日に摂取する上限の目標量(男性750㎎未満、女性600㎎未満)が定められていましたが、2015年版ではコレステロールの上限の目標量が撤廃されました。これはコレステロールによって健康被害が発生するという充分な科学的根拠が得られなかったためです。

『日本人の食事摂取基準』(2020年版)では、人によって摂ってよいコレステロールの量が変わりました。脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)の人は1日に200mg未満にすることが示されました。これ以下に抑えることで脂質異常症の悪化による動脈硬化を予防することができる、というのが理由です。

血液検査を受けて指摘されなければコレステロールが多く含まれている食品(卵や肉など)は、どれだけでも食べてよいのかというと、「患者調査の概況」(2017年)によると日本人は男性が約64万人、女性が156万人と合計で成人人口の5人に1人が脂質異常症となっています。そのため、日本人は摂りすぎを控える必要があることがわかります。

また、『日本人の食事摂取基準』(2020年版)では、エネルギー源の適正な配分は、糖質が50~60%、たんぱく質が15~20%、脂質が20~30%とされています。

平均的な日本人の食事は、昭和30年代後半は炭水化物が75%以上で、たんぱく質は12%ほど、脂質は11%ほどでした。そして、栄養のバランスがよかった昭和50年代後半には、さまざまな食品を食べることによって炭水化物は60%ほど、たんぱく質が13%、脂質が25%ほどと、ほぼ理想に近い形となりました。

それが2005年(平成17年)の統計では炭水化物が58%、たんぱく質が13%、脂質が29%となっています。

脂質の割合は2010年版までの基準では20~25%とされていました。上限が30%に引き上げられたのは、脂質を種類に関係なく30%まで摂ってよくなったということではありません。肉類の動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量を少なくして、魚類や植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸を多く摂るようことを掲げて、飽和脂肪酸を7%以下に抑えることが示されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕