健康情報共有26 乳酸菌は腸内を酸性化させて善玉菌を増やす

腸内環境を整えるために乳酸菌やビフィズス菌が含まれたヨーグルトを食べても効果がない、ということは事実のように広まっています。その理由としてあげられているのは、食品とともに摂取した乳酸菌やビフィズス菌は大腸内では1〜2日しか生き残れないことがわかってきたことで、その後は死んで排泄されるということです。これはテレビ番組で全国放送されてから、常識のように伝播していきました。

乳酸菌が含まれたヨーグルトのコマーシャルで、他の製品は生きたままで乳酸菌は腸まで届かないのに対して、その製品は生きたまま多く届くことが確認されていることをPRしています。

それは正しいとしても、肝心なこと、いつまで多い状態が続くのかということは触れられていません。大腸内では1〜2日しか生き残れないのだから、その事実を伝えて、毎日の摂取が必要だということも告げるべきです。

長く生き続けられないことは事実ですが、乳酸菌やビフィズス菌が腸内に棲みつかないからといって、腸内細菌の善玉菌が増えないということではありません。善玉菌は酸性の代謝物を排出しています。代謝物というのは、栄養源(エサ)を取り入れて、細胞の中で生化学反応を起こした結果として発生するもので、善玉菌は酸性の代謝物、悪玉菌はアルカリ性の代謝物を大腸内に排出しています。

善玉菌は酸性の環境の中で活発に活動して、増殖していきます。乳酸菌などを摂取して、それが生きている間に腸内環境が酸性化していくと、もともと棲みついていた善玉菌が増えていくようになるのです。

このことから、乳酸菌などは生きている間に活躍してくれればよいということですが、それと同時に死んだ乳酸菌は腸内の善玉菌の栄養源になるので、死んでからも腸内環境を整えることに役立ってくれるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕