健康情報71 感染症の家庭内感染対策に関する生活者調査

新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置づけが2類相当から5類となり、市中の感染対策は一段落してきましたが、感染状況が収まったわけではありません。また、今後も新型インフルエンザや未知の感染症のパンデミックなどの可能性も想定されるところです。

感染症は、家庭内で感染することも多く、これを抑えることは家族を守るだけでなく、社会的な蔓延抑制にもつながると考えられます。

ライオン株式会社は、感染症の感染経路の一つと考えられる家庭内感染について、新型コロナウイルス感染症を事例として、新型コロナウイルス感染症の家庭内感染があった家庭となかった家庭について、対策に違いがあったのかの調査を実施しました。

対象は20〜69歳の男女で、同居世代がおり、自分または家族が新型コロナウイルス感染症に感染した人(家庭内感染があった人480名、家庭内感染がなかった人480名)です。家庭内感染をしなかった家庭と、家庭での対策の比較を行っています。

同居家族がいて、新型コロナウイルス感染症にかかった人で、家庭内観戦があった人となかった人に対して、感染対策の全般的な質問とともに、生活シーンを大きく7つ(1衛生全般、2住まい、3お風呂、4トイレ、5洗面所、歯みがき、6衣類、洗濯、7食事)に分けて、それぞれのシーンでの感染対策についてアンケート調査が実施されました。

感染対策全般では、感染者発生時の気持ちを尋ねると、「他の同居者にはうつらないようにしたいと思ったし、可能だと思った」と回答した割合が家庭内感染「しなかった家庭」で29%だったのに対して、「した家庭」」では9%、逆に「うつるのは仕方ないと思った」と回答した割合が「しなかった家庭」で20%、「した家庭」では25%と、感染者発生当初の家庭内感染予防に対するモチベーションの高さや、家庭内感染予防をあきらめない気持ちに差がありました。

また、感染対策時期について、「感染者と接触した」または「体調に違和感を感じ始めた」の比較的早期の段階から感染対策を始めた割合は、家庭内感染「しなかった家庭」で43%に対して「した家庭」では34%でした。

平均対策期間も、それぞれの家庭で6.7日と4.6日と、家庭内感染「しなかった家庭」の方が早くから対策を始め、対策期間も長い傾向となりました。

さらに、7つの生活シーン別に個別の感染対策について実施したかを質問した計116項目中102項目で、家庭内感染「しなかった家庭」の方が「した家庭」より対策実施率が高まったという結果も得ました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕