健康情報91 混合食は栄養とカーボンフットプリントのバランスをよくする

食品システムの持続可能性に関する先行研究は不足しており、特に現代社会において、世界人口の増加と都市化の加速によって食品需要が増大し、持続可能な食生活選択にトレードオフが生じていることの理解は重要です。

国連食糧農業機関(FAO)は、2050年までに世界人口は91億人に達し、食品生産を70%増加させる必要があると予測しています。

東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻と未来ビジョン研究センターの研究チームは、食生活の環境および健康への影響を探求し、混合食が栄養ニーズを満たしつつもカーボンフットプリントを低減させることが明らかにされました。

混合食は、食材を肉、魚介、野菜などに分類するとき、単一の食材からなる料理ではなく、さまざまな食材を含む料理を指します。カーボンフットプリントは、商品・サービスのライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガスの量を追跡した結果、得られた全体量をCO2量に換算して表示することを指します。

研究では、料理ごとに価格と利用かを考慮するとともに、産業連関分析を通じてカーボンフットプリントを評価しました。産業連関分析は、一つの国の、ある年における財・サービスについて各産業部門間で何がどれだけ生産されたか、販売されたかを、行列形式で一覧表にした産業連関表を用いて、最終消費者の購買が、どの産業に、どれだけの生産活動を誘発するかを分析する手法です。

その結果、牛肉を中心とした料理が最もカーボンフットプリントが高く、豚肉や野菜ベースの料理は低いことや、カーボンフットプリント全体に対して調理による直接的なCO2排出の影響は少なく、CO2の主な排出源は原材料の生産過程にあることが明らかになりました。

また、カーボンフットプリントの高い料理は高価であり、低いものは比較的安価であることもわかりました。

栄養評価からは、肉ベースの料理が一般的に高いコレステロール量をもつ一方で、異なるタイプの料理間では特定の栄養素において顕著な違いがあることが確認されました。そのため、いろいろなタイプの料理を食べたほうが栄養バランスがよくなることがわかりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕