健康経営は幸せになれる方法なのか

健康経営は、働く人の健康を重視した考え方で、これを推進しているのは厚生労働省ではなくて経済産業省です。ということは経営面で健康を取り上げているということですが、経済産業省は以下のように定義しています。
「健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の構造等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。」
健康経営を初めて提言したのは、岡田邦夫医師で、大阪ガス統括産業医であったときに、日本メディカルダイエット支援機構の理事長は月刊情報誌「健康日本」で年間連載をするときに取材をして、その考えを教え込まれました。
岡田医師は健康経営研究会の理事長として、各企業の指導もされていますが、同研究会では健康経営を以下のように解説しています。
「健康経営とは、企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても、大きな成果が期待できるとの基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の下、健康管理を組織戦略に則って展開することが、これからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。」
こちらのほうが理解しやすいようですが、健康経営を採用しているものの、その目的を従業員の幸せよりも仕事の効率化のほうに重点をおいている企業も少なくありません。実践の内容はよいとしても、理念が違っていると従業員を機械のように無駄なく働かせるための手法にされてしまいかねません。