健康食品の法規制46 法律講習による守り

健康食品の販売に関わる広告の表示の厳しい取り締まりに対応するため、広告表現の研究をしている販売事業者は多いのですが、規制する法律の根本を知らずに、目先の対応になっていることも少なくありません。

法律について学ぶことで、会社を守っていこうということで、法律講習を受ける販売事業者があります。中には、会社の幹部だけでなく、全社員に教えてほしいという依頼もありましたが、そんなことを実施してよいか確認をすることがあります。

というのは、法律に完全に準拠した行動をしている会社はよいとしても、法律について本当のことを知ったために会社や辞めていく社員が出ることがあるからです。そんなことはないと経営者から言われて全社員に講習をした会社もあるのですが、結果は心配していた通りで、オペレーターが集団で辞めていってしまいました。

こういった会社がある一方で、全社員どころか、販売に関わるメンバーに法律講習を義務づけている会社もありました。私の講習を受けないと、一定の販売レベルとして認めてもらえないということで、販売のリーダーは全員が受講者でした。

これなら法律を守って紹介・販売されるのかというと、中には逸脱するメンバーがいるのは想定済みです。それでも講習を続けているのは、規制する側に突っ込まれたときの説明(言い訳?)の意味もあります。

しっかりと法律は勉強させたのに、逸脱したメンバーが出たということは悪質だったので契約を打ち切ったということで抜け切りたいという思いもあります。本気で会社主導で法律講習をしているのではなく、言い訳のためというのは講師を務める立場としては複雑な気持ちもあるのですが、やらないよりはやったほうがよいのは当たり前という感覚で、今も依頼があれば受けています。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕