健康食品 敵か味方か2 法律コンサルタントのきっかけ

6年前に東京から岡山に移住してからは、健康食品に関する法律講習は、講習テキストも関連資料も箱に収めた状態を続けていました。東京にいたときも、最後の数年は消費者庁の健康食品の規制に関わる部門のサポートをしていたために、法律講習をすると規制する側の情報を漏らすことにもなるということで自主規制をしてきました。

また、その部門の仕事をすることは、違反事例を見つけたときには報告する義務があったので、健康食品業界も私から講習を受けにくいという状況がありました。規制する法律に違反をしていなければ気にすることはないはずですが、この期間は違反を指摘されて、対応に苦慮している会社からの相談が数件あったくらいでした。

今から20年前(2002年)に、厚生労働省から「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方」という通知が出されました。複数の団体からNR・サプリメントアドバイザー、食品保健指導士、健康食品管理士などの認定者が養成されていますが、そのきっかけになった通知です。

この通知の検討委員会に参加する機会を得て、その流れで認定講習の法律講師を複数の団体で行うことになりました。アドバイザリースタッフは健康食品の選び方・使い方を消費者に伝える役割で、効能効果が規制を超えて伝わることも想定されることから、これまでの健康食品の規制が強化されるきっかけにもなりました。

アメリカから日本に進出している無店舗直接販売の会社の団体からの要請で、現地で3年間にわたって日本の法規制と、なぜか日本人の体質についての講習をしました。そのおかげで、直接販売の手法と法規制の必要性について学ぶことができて、アメリカから進出した会社だけでなく、日本の同じ手法の複数の会社でも法律講習をする機会を得ました。

たまたま週刊誌で健康食品について連載を持っていたので(2年近く98回掲載)、数多くの健康食品会社と知り合い、取材を重ねました。その会社の素材・商品を知るだけでなく、他社の悪口(?)も聞けたことから、業界の裏も随分と知りました。また、取材先を通じて、健康食品の業界紙・専門誌ともパイプができて、規制破りの手口と規制する側との応酬についても熟知することができました。

当時は医療ジャーナリストとしての仕事のほうが圧倒的に多かったのですが、健康ブーム・健康食品ブームの中にあって、健康食品の有効性についての記事やテレビ番組の情報の依頼がありました。しかし、その分野への進出は他のジャーナリスト(と言えるレベルの人だけではなかったのですが)の仕事を奪うことにもなるので、最も得意な法規制に関わることを選んだという経緯があります。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕