健康食品 敵か味方か44 使用する対象者での試験結果なのかを確認

健康食品は有効成分の種類や配合量が注目されます。有効性のデータが示されて販売される機能性表示食品の場合には、どのような機能性なのかが表示されています。機能性があって、配合量が多ければ有効性が高いと判断する人が多いということですが、もう一つ注目して確認しなければならないことがあります。それは、どんな人で得られた結果であるのかということです。

高齢者を対象とした健康食品は、高齢者での結果が示されていると思いたいところですが、機能性表示食品であっても、若い人を対象とした結果だということがあります。健康食品は年齢を限定しているわけではないので、若い人を対象としたものを高齢者が利用するのは勝手です。

どんな人で、どんな条件のもとに得られた結果なのかは、機能性表示食品については消費者庁の専門サイトに掲載されています。これを見れば一目瞭然ですが、高い健康食品を購入しようとしているのに、確認していないという人も少なくありません。

機能性表示食品では試験が実施できる人が限られています。成人であり、しかも健康な人が条件となっています。子どもも高齢者も試験対象ではありません。また、妊娠可能な女性は、素材による健康被害が懸念されることから、やはり試験は行われていません。妊娠可能な時期は生理期間なので相当に長くなっています。

条件のほうは、ただ摂取していただけなのか、運動や食事内容に配慮していたのか、そのことも機能性表示食品では専門サイトに掲載されています。高齢者は代謝が低下しているので、成人で得られた結果が、そのまま得られるとは限りません。自分と同じような人の結果で、自分も同じような結果が得られると期待されるのか、そのことも重要な確認事項といえます。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕