身体年齢24 生活習慣病と神経伝達の関係

生活習慣病の中でも血管を老化させる要因となる高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)は、神経細胞に送られる血液が減ることから、神経伝達が低下することが指摘されています。神経細胞に特に影響を与えるのは酸素不足であるので、高血圧、糖尿病、脂質異常症は、どれも血流低下を起こすことになります。

中でも影響が大きいのは糖尿病です。糖尿病は細くてもろい細小血管と呼ばれる毛細血管が酸素不足から徐々に傷んでいく疾患です。血管は最も太い大動脈は3cmほどと500円玉ほどの太さがありますが、全身で最も多い通常の血管は0.5mmほどで、これはシャープペンの芯の太さに相当します。

毛細血管は8μm(マイクロメートル)で、1μmは1000分の1mmです。これは髪の毛の太さ(0.08mm)の10分の1の太さで、例えるなら蜘蛛の糸です。そんなにも細い毛細血管が密集しているのは眼の網膜、腎臓の糸球体、神経細胞で、糖尿病が進行して合併症が起こりやすい部位となっています。

神経細胞の働きが低下すると傷ができても気づかなくなり、画鋲を踏んでも痛みを感じないという人もいます。これが神経細胞の働きの低下で、よく例として出されることですが、神経伝達が低下すると刺激が伝わりにくくなり、身体のバランスを察知して正常な位置や状態に整える能力も低下していきます。

筋肉の量が保たれていても、神経伝達の低下でバランスが取れなくなると、さまざまな動きがスムーズにいかなくなり、身体年齢測定の指標となる閉眼片足立ちも長くできなくなります。糖尿病は身体年齢を実年齢よりも高める大きな要因になっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕