健康食品 敵か味方か47 表現でわかる“買った”番組

テレビ番組は、純粋な報道なのか、それとも放送枠を買ったものなのかを判断してみる必要があります。

通信販売番組は、報道番組やロケ番組、クイズ番組といった形をとっていたとしても、最後に販売をしていれば、これは間違いなく広告宣伝だということがわかります。だから、番組枠が販売され、これを販売事業者が購入しています。

番組そのものは報道やバラエティの形であっても、その中の一部が販売されていることがあります。販売枠として定価はつけられていなくても、番組の協力費用として金額が請求されることもあります。

情報として店舗や商品を紹介しているだけなのか、それとも販売のために金銭が動いているのかは、だんだんと見分けがつかなくなってきています。商品名と販売価格、問い合わせ先の電話番号が表示されていても、金銭が関わっていなければ、これは報道の一環と判断できます。

公共放送では宣伝はできないことになっているので、お知らせとなっています。商品名、販売価格、問い合わせ先が出ていたとしても、あくまでもお知らせです。これが協力費などが発生する民放との違いです。

何を持って金銭の動きの有無を判断するのかというと、MC(進行者)やアナウンサーの表現、テロップやコメントの内容です。最も簡単にわかりやすいのは、「厳選された材料」「丁寧に選別」「安全性に最大限に配慮」といった言葉です。

純粋な報道では、厳選された材料、丁寧に選別、安全性に最大限に配慮という事実があっても、ここまでの表現はしません。情報提供者に、そこまで配慮する必要がないからです。

ところが、金銭の動きがあると、どうしても“ヨイショ”の姿勢になって、表現がオーバーになってくるからです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕