健康食品 敵か味方か56 機能成分も吸収阻害

健康食品は素材の組み合わせが大切で、機能性がある成分が複数あることで、目的を達成しようとします。例えば、血糖値の上昇を抑えるためには糖質の分解の抑制、分解されたブドウ糖の吸収の阻害、血液中のブドウ糖を細胞に吸収させるために必要なインスリンの分泌の促進など、一連の流れに沿った成分を使います。

これによって複合的な効果を求めるということと同時に、どこに問題があって血糖値が下がりにくいのかがわからなくても複合的な対応なら、どれかが効いてくれるという期待もできるわけです。

健康の維持・増進に役立つ成分はプラスの効果があることを期待したいところですが、素材の相性がよくないと、期待する効果が低下することにもなります。糖も脂肪も塩分も余計に摂取したものは吸収を阻害してくれる難消化性デキストリンは効果が確認されていて、機能性表示食品の成分となっています。

難消化性デキストリンさえ使えば機能性表示食品として認められるということで便利に使われています。強力な粘性成分で、吸着して吸収を妨げることはできるものの、他のものも吸着して吸収が妨げられることについては、どこを見ても書いてありません。

水溶性食物繊維は粘性が強いので、ビタミン、ミネラルの一部を吸着して吸収量が減ることが知られています。難消化性デキストリンはビタミン、ミネラルを吸着するのはもちろんのこと、健康食品の有効成分を吸着して、吸収されなくします。全部ではないとしても、期待する効果のための推奨量が摂取できなくなるのでは、せっかくの健康食品が意味をなさなくなります。

健康食品は使い方によっては、味方にもなれば、敵にもなるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕