健康食品 敵か味方か57 機能成分の相互作用

健康食品は、医薬品のような飲み合わせは起こらないというのが以前の常識でした。それは、健康食品は素材の成分を濃縮、凝縮されたといっても、医薬品と比べると有効性が確認されている成分の量が少なかったからです。

ところが、有効性が高められるようになって、素材の種類、産地、栽培時期、収穫時期、抽出法、分解性が進み、素材の組み合わせによる有効性も確認されるようになって、徐々に医薬品に近づいてきました。

そして、特定保健用食品、機能性表示食品が許可され、健康食品の機能性を表示して販売できるようになってからは、医薬品と一緒に使うことによって、医薬品の副作用と同じようなことが起こるものが出てきました。

この研究は以前からアメリカでは確認され、健康食品と医薬品を安全に、そして有効に使用するための情報源として使われてきました。それは「Natural Medicine Database」といって、行政でも医療機関でも保険会社でも当たり前のように使われています。

日本対応版もあるのですが、それを見ると健康食品の素材と医薬品が一緒に使われることによって起こる相互作用が数多く載っています。1000種類以上の健康食品の素材のうち、4分の1ほどには相互作用があることが示されています。

相互作用というのは安全性ということでは副作用と同じ感覚で捉えてよいのですが、組み合わせて使う有効性ということから、あえて相互作用という言葉が使われています。それは、アメリカでは医薬品と同じ作用がある健康食品がある場合には、それを使うことによって医薬品の量を減らすことができるという考え方をしているからです。

アメリカでは医薬品は価格が高く、医療費は定額制が原則であるので、医薬品を多く使うほど医療機関の収益が減る制度となっているからです。もちろん、組み合わせによる危険を防ぐということが優先されるのですが、すでに使用している健康食品は自分の意思で使い続けてもらって、医薬品を減らすことも考えられているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕