学習支援7 学習障害の特性①識字障害4

識字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*音読より黙読が苦手
文字と音の変換がスムーズにいかないために音読が苦手な子どもがいる一方で、音読は目から入ってきた文字情報と音で聞こえたことの両方が情報源となって記憶に残りやすいという子どももいます。自分で声を出して読むよりも、周囲の子どもと一緒に読むことで視覚と聴覚の両方の情報が強くなり、覚えやすくなることが多くなっています。黙読は視覚の情報だけで記憶をすることから負荷がかかりやすくなります。音読をして内容が理解できると2回目の音読はスムーズになります。また、音読だけでなく、黙読でもスムーズに読めるようになります。
*文章を読むのがたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだり、まとめたりすることが難しい
読むことがスムーズにできない子どもは、読むことに注力しすぎることから、読んだ内容を把握して、その要点を説明したり、短くまとめることが難しいところがあります。
*読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む
目で読むときには眼球を動かして文字を追っていますが、眼球の動きがスムーズにいかないと文字や文を的確に脳に記憶させ、記憶した状態で次の文字などを読むことが難しくなります。読んでいる文字を指で押さえるのは、どこを読んでいるのかがわからなくなりやすいことが関係しています。
*文末などは適当に自分で変えて読んでしまう
文章を最後まで正確に読むことができず、最後のほうは文節に合わせるように勝手に言い換えてしまうことがあります。これは先に早く進もうとする気持ちが強く現れて最後まで読まない場合と、読んだ文章の意味を理解したと判断した瞬間で文字を読まなくなる場合とがあります。