学習障害110 思いもしない食品に含まれている食品添加物2卵黄

前回は食塩を例にあげて、表示されていないのに実は含まれている食品添加物について紹介しました。食品添加物を多く摂ると、これを分解、解毒するために余分なエネルギーが必要となり、身体と脳に使われるべきエネルギーが低下することにもなります。このことが直接、学習に影響を与えるわけではないにしても、できることなら体内で作り出されたエネルギーは成長のため、学習のために多く振り分けたいものです。
食塩は加工食品であるので表示が免除されている食品添加物は想像がついても、通常の食品に食品添加物が使われていることは考えもしなかったという人も少なくありません。その食品というのは鶏卵です。鶏卵は入っているパッケージを見ても、特に食品添加物については表示されていません。何が使われているかというと、卵黄着色料です。卵黄(黄身)は色が濃いと栄養豊富と思われがちですが、連続して産ませていると卵黄に栄養が入りにくくなり、卵黄が薄くなってきます。そこで卵黄着色剤をエサに混ぜることで、卵黄の色を濃くしていくことができます。脂肪に溶ける性質がある食品添加物は、鶏の体内に入ってから卵黄に移動します。
卵黄着色剤は天然素材と合成素材があります。卵黄の色素はカロチノイド系の脂溶性色素ですが、鶏は体内でカロチノイドを合成することができません。卵黄の黄色い色はエサ(飼料)のトウモロコシのカロチノイドに由来しています。ちなみにエサに米を使うことで卵黄を白くした鶏卵もあります。白いのに卵黄と呼ぶのは違和感がありますが。
卵黄の色を濃くするために使われる天然素材の卵黄着色剤はパプリカやマリーゴールドの色素です。気になる合成色素ですが、カンタキサンチンという石油から作られた化学合成物質です。この化学合成着色料は鶏以外には、鮭や甲殻類のエサとしても使用することが許可されています。厚生労働省による食品健康影響評価では安全性に問題はないと報告されています。しかし、化学物質は複数のものが重なると身体への影響が高まることが懸念されることから、使用しないに越したことはありません。