学習障害118 集中力の向上のために食べるべきもの

集中力は発達障害を語る上での重要なキーワードで、中でも学習障害の改善においては避けて通ることができない重要な研究ポイントです。一般には、自閉症スペクトラム障害は閉じこもりがちで、狭い範囲しか見れなくなる傾向が強いために、集中力が高いというプラス面がクローズアップされることがあります。それに対して、注意欠陥・多動性障害は集中力が欠けているところがあって、そのために学習に取り組みにくいということが指摘されています。
学習障害というと、識字障害、書字障害、算数障害が中心に取り上げられていますが、その障害を改善するためのアプローチが通じるかどうかは集中力をもって学ぶことができるのかにかかっています。そのため、通常の対応にプラスして、集中力を高める食品やサプリメントへの関心が高まっています。
その成分の代表格のホスファチジルセリンはリン脂質の成分で、ホスファチジルコリンから肝臓で合成されています。ホスファチジルコリンはレシチンとも呼ばれていて、これは大豆や卵黄に多く含まれています。ホスファチジルコリンは脳や神経組織の成分です。
ホスファチジルセリンは神経伝達物質の放出、細胞間のコミュニケーションや認識、細胞の成長の調整に関係していて、脳細胞の神経伝達の機能を高めてくれます。また、ストレスホルモンのコルチゾールを抑制する働きが確認されていて、ストレスの低減も期待されています。
発達障害に関しては、予備研究でホスファチジルセリンを補うことによって注意欠陥・多動性障害の子どもに有益であることが示されました。続いて実施された追跡研究では、1日に200mgのホスファチジルセリンを2か月間補った子どもでは注意欠陥・多動性障害の状態に有意な改善がみられたことが報告されています。
集中力を高めるためにはストレスの低減も必要ですが、その成分として機能性表示食品の成分としても知られるGABA(ギャバ)があげられます。GABAの正式名称はγ-アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acid)というアミノ酸の一種で、発芽玄米やトマトに多く含まれています。これを材料としたチョコレートなどにも使われていますが、GABAは酸素の供給を増やし、血流を高めて、脳細胞のエネルギー代謝を促進させる働きが認められています。