学習障害12 感覚過敏が与える学習への障害

発達障害の感覚過敏は発達障害の自閉症スペクトラム障害で多くみられることから、自閉症スペクトラム障害にのみ現れるものと思われがちです。実際に、感覚過敏を自閉症スペクトラム障害の特性として紹介している書籍なども存在しています。しかし、他の注意欠陥・多動性障害にも学習障害にも感覚過敏はみられます。
これは自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害、自閉症スペクトラム障害と学習障害が重なり合って現れた結果と考えられることもあります。つまり、注意欠陥・多動性障害に感覚過敏がみられた、学習障害に感覚過敏がみられたというのは、実は自閉症スペクトラム障害であったのが気づかれず、感覚過敏がみられて自閉症スペクトラム障害であることがわかったという考えです。
この考えが当たっているのか、それとも注意欠陥・多動性障害にも学習障害にも感覚過敏があったのに、これまで表立っていなかったのか、そこはまだ明らかにはされていないのですが、学習障害には感覚過敏が出ることは事実で、そのことが学習障害の状態を悪化させることも事実として認識しておくべきことです。
感覚過敏は通常なら問題なく過ごせると思われることであっても、非常に過敏に反応してしまい、日常生活にも支障が出ることを指しています。感覚過敏には触覚過敏、視覚過敏、聴覚過敏、嗅覚過敏、味覚過敏があります。このうち味覚過敏は学習障害とは無関係と考えられていますが、それぞれの感覚過敏の特性と学習障害の関わりについて紹介します。
感覚過敏の、すべてが学習障害に関わるわけではないものの、それぞれの感覚過敏の特性がわかると、なぜ学習障害に影響を与えることとなるのかが理解できるようになり、対応についても見えてくるようになります。