学習障害17 音読は2拍で切って慣れていく

発達障害の一つの学習障害の識字障害というと、文字を読むことができず、そのために文字を書くことができない書字障害につながりやすいと考えられています。読み書きが上手にできないと学習障害と判断されることもありますが、実際には識字障害ではなく、音読に慣れていないために、書き言葉の文体にスムーズに変換することができないということがあります。
単語を耳で聞いて、それを文字にすることは、それほど難しいことではありません。「いぬ」という言葉を聞いて、「いぬ」という文字にして、そして動物の犬を思い浮かべるという記憶と変換の流れとなっています。
文章を聞いて理解するというと、句点「。」までを一気に読むことが期待されますが、それができるためには読点「、」まで読む、それができるまでは文節(これは)(つくえ)で区切りながら読むという方法を取っていきます。それも自分で読ませるだけではなく、教師や親が先に読んで、それを子どもに目で文字を負わせて、その後に子どもに読ませるという手順で進めていきます。
読むときには、日本語のリズムの特徴である2拍フットで発声するようにします。2拍フットは、2音をひとかたまりのリズムで発音することを指しています。ひらがな表記は1文字に1音が対応していますが、話し言葉になると2音をひとかたまりにして発音しているという特徴があります。
これは2音ごとに切って読むことではありません。「これはつくえです」を2音ごとに切ると「これ」「はつ」「くえ」「です」となりますが、そうではなくて「これ」「は」「つく」「え」「です」と切って読みます。「は」と「え」の後には無音が入って、字と無音で2拍となるわけです。