学習障害32 視覚系に課題がある場合の読み書きのアプローチ

学習障害の識字障害、書字障害がある子どもは、読み書きという基本中の基本とされることができないために、学校の中でも社会の中でも非常に苦労をしています。日本の社会的な標識は小学校で教わった読み書きができれば苦労をしないように作られています。その社会的な基準とされることが、発達障害の学習障害のために身につけることができない子どもたちは大きな困難を抱えたまま生活をしています。
視覚系の課題がある場合には、苦手な読み書きを集中的に覚えさせることは、学習そのものを嫌いにさせる可能性もあります。無理に覚えさせるのではなく、簡単なところから問題を解いてみて、その意味することを理解したところで、学習に取り組む支援をするように、まずは楽しみながら学ぶことを身につけるように指導するのが大切になります。
文章の読みが困難な場合には、細かく区切って理解できるように、単語や文節ごとに区切り(/=スラッシュ)や空白を入れるといった工夫が求められます。一つの言葉は色を変えるようにして、ひとまとまりとして理解できるようにする方法もあります。
漢字の書きについては、書き写す回数よりも重要になるのはパーツごとに書き方を教えて、そのパーツの組み合わせによって漢字が構成されていることが理解できるようにします。漢字カードというと、漢字が書かれたカードを示して、その読み方を正解とするものが主流となっていますが、偏(へん)と旁(つくり)が別々に書かれたカードを組み合わせて遊びながら覚えるという合わせ漢字ゲームがあります。「氵」と「中」を合わせて「沖」というような偏と旁のほかに、冠(かんむり)と脚(あし)、垂(たれ)、構(かまえ)、繞(にょう)も取り入れた漢字カードもあります。
カードで覚えた漢字の書き順(筆順)を手の動きで覚えて、実際にペンで書いてみる、といった楽しみながら覚えられる方法も視覚系に課題がある子どもには有効となります。