学習障害6 算数障害の例を知って対応を考える

算数障害は算数問題を解くことに困難があることを指します。計算障害とも呼ばれ、数量のイメージができなかったり、数量のイメージと数字を一致させることがうまくいかないことがあります。そのために、加減乗除(+−×÷)の操作(計算)がうまくいかなくなります。計算のほかに図形や空間の認知、数学的推論などでも困難をきたすことがあります。全体的な知能には大きな遅れはないものの、他の教科に比べて不自然に習得が遅れる状態があります。
計算をするときに一般的には「いち、にい、さん」と聞くと、数字の「1、2、3」を思い浮かべ、「●、●●、●●●」と数量を思い浮かべています。この連動がうまくできず、日計算が苦手となり、日常生活にも影響を与えるようになります。
以下は、算数障害でよくみられることを列挙したものです。このうちの、いくつが該当すれば算数障害ということではなく、一つであっても学習に影響を与えている場合には算数障害と指摘されることがあります。
*数の概念が身につかず、数系列の規則性などの習得が難しい
*計算を習得することが難しい
*指を使わなければ簡単な計算ができない
*繰り上がりや繰り下がりが正しくできない
*九九を覚えにくい
*九九を暗記できても応用して掛け算をすることができない
*掛け算ができても割り算ができない
*物差しや計量器で計測した目盛りを読むのが苦手
*図形の認知や構成ができないことがあり、正しく書き写すことができない
*文章題を解くのが難しい